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歯牙喪失は、4年に1度行われる歯科疾患実態調査によっても、数千万という天文学的な数になっております。(管理者論文参照)供給側の
歯科医は90,000名です。このうち7-80,000名が開業医です。このすべての歯科医が、インプラント手術を行っても、歯科医1人当たり500-1,000本のインプラント埋入手術が1年間で必要となります。この様な本数のインプラントを埋入している歯科医は日本には数えるほどしかおりません。極めて需要過多になっておりますが、治療費が高額ですので需給関係が均衡している状態にあります。
この5年ほどの間に、治療費用を極端に低価格に設定した医療機関も出現しております。お弁当や海外旅行などの価格が低価格競争となり1920年代30年代に世界恐慌の前後に経験したデフレスパイラルが進行しつつあります。これら商品は、患者さんにその場で飲食していただいたり、数日の旅行期間に消費されるものですが、医療とりわけ、インプラントなどの生体内に長期間に渡って装着される移植製品は、患者さんがたにその真実性が非常に分かりにくくなってしまっております。米国では、この時期(1930年代)に歯科医が劣悪な金属を歯科診療に使用し、問題を発生した経験があります。(Dr.パンキー)
診療費と技術は必ずしも比例するとは限りませんが、安価な医療費は材料においてまたは人工歯作製方法において節約省略がされないことを願うばかりです。世界レベルでインプラントおよびアバットメント、補綴物などの使用材料のロットナンバー管理が行われている企業も現れております。この様な流れは、自動車、家電商品などでは、すでに当たり前のように進行しておりますが、歯科製品については、まだ一部の良心的なメーカー企業が行っているに過ぎません。
食料品の原産地証明が当然にあるように、患者さんがたの体内に長期間留まる医療製品が何であるかを明らかにしなければいけない法制度化が求められると思います。